もし学生から

先生「~たところ」っどんなときに使うんでしょうか。「~たら」とどう違うんですか。
どう答えるだろうか。何気なく使っている表現だ。
しかし、会話ではそれほど使うことがないように思える表現。
日本語教育では
1.普段ネイティブが会話で使っていない表現
2.使うことができても、それを説明できない。
という表現が多い。そして、それを学生に説明しなければならない。
これが、日本語を教えるときに難しい部分でもあり、調べていくうちに教師は日本語を知ることとなる。
これが、日本語かと。
さて、
この学生はN2~N1程度の学生で、フリートークは可能だ。
最も難しがるのは、
似ている表現の違いがピンとこない。
よって、
”Aという表現(単語)とBという表現(単語)はどう違うんでしょうか”
と質問してくる。
日本語は非常に似ている表現が多く、細かな状況によって言葉を分けることが多いと話す。
外国人(韓国人)にはそのように日本語が映るんであろうか。
「~たところ」の使い方
この「~たところ」の使い方は、Aという動作や行動をした、➡(そしたら) Bという意外な(予想しなかった)結果になった。というときに使われる。
内面的には、驚きや発見の気持ちが込めれれている。
<例文>をみてみよう。
- 週末にショッピングに出かけ、デパートに行ったところ、臨時休業だった。
- 先生に進路の相談をしたところ、先生の知り合いに紹介されて内定が決まった。
- 試しに英検一級を受けてみたところ、みごと合格した。
「~たら」との違い
「~たら」で表現することでは
驚きや発見の気持ちを表すことができなくなる。
- デパートに行ったら、臨時休業だった。
- 英検一級を受けてみたら、みごと合格した。
これでも文章としては成り立っている。
ただ、もし驚きの気持ちを表したければ、
- デパートに行ったら、臨時休業だったんだよね。
などのように、何かしら後ろに話者の驚きの表現(終助詞)を追加しなくてはならない。
会話では「~たところ」は?
「~たところ」は日本語能力試験のN3程度の表現といわれる。
しかし、私たちネイティブ日本人は、日常会話で「~たところ」などいう
表現を使うであろうか。
もちろん文章などには使うことはあるだろう。
上記の例文の場合だと
- デパートに行ったんだけど、休みだったんだよね。前もって調べておけばよかったよ。
などと話すことが一般的だと思われる。
学習者にとって、試験合格のためには理解しなければならないが、
会話ではそれほど使われない
ということは、教えておいたほうがいいのかもしれない。
我々が学校で英語の表現を試験のために暗記したこと。
でも、実際の英語ではそれほど使うことがないというケースもある。
日本語学習者も学習の中にある表現と実際の会話表現のギャップに気づくことがあるのだろう。
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